胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

映画『福田村事件』

9月4日に『福田村事件』を観てきた。 関東大震災における朝鮮人虐殺は知っていた。加藤直樹著『九月、東京の路上で』他の関東大震災関係の本がわたしの本棚がある。なぜ、興味を持っていたか。昔むかし、教科書か何かで「関東大震災で朝鮮人が虐殺された」と…

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

ひさしぶりの更新になります。 映画はよく見ています。本も読んでいます。 でも、書き残していくのがめんどうになっています。 もう早寝で9時には寝ます。朝起きてパソコンに向かうのですが、やることが多いのです。 昨日は昼間に劇場で「蟻の兵隊」をみて、…

神楽映画②「廻り神楽」

www.mawarikagura.com ドキュメンタリー映画「廻り神楽」は2017年に制作され、2018年に上映開始された映画である。岩手県宮古市の黒森神楽は沿岸を門付して歩くことで有名だ。震災後の沿岸を変わらず門付して歩く。むかしは、農閑期の冬の収入源でもあったか…

神楽映画①「早池峰の賦」

わたしたち夫婦が遠野に移住したのは1993年。もう30年近く前である。移住地に神楽があった。神楽というものを初めて見た。 その頃に羽田澄子演出の「早池峰の賦」というドキュメンタリー映画を知った。映画は見る機会がなかったが、羽田澄子著『早池峰の賦』…

車谷長吉『漂流物・武蔵丸』

漂流物・武蔵丸 (中公文庫 く 29-1) 作者:車谷 長吉 中央公論新社 Amazon 我が家では車谷長吉ブームが起こっていた。名前は知っていても読んだことが無かった。 なぜ、車谷長吉を読みはじめたのか。そもそもは、柳本々々さんの『バームクーヘンでわたしは眠…

『愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年』大貫智子

愛を描いたひと イ・ジュンソプと山本方子の百年 作者:大貫 智子 小学館 Amazon 本屋で見つけた本。なぜか気になり手に取る。パラパラと読むとイ・ジュンソプは韓国では国民的な画家で、妻は日本女性だとある。口絵のカラー写真のイ・ジュンソプの絵は好みで…

マーガレッド・アトウッド『侍女の物語』『誓願』

『侍女の物語』 マーガレット・アトウッド/斎藤英治・訳 (早川書房) 『誓願』 マーガレット・アトウッド/鴻巣友季子・訳 (早川書房) 新春に放映されたNHKの「100分deフェミニズム」をみた。そこで紹介された本でマーガレット・アトウッドを読んでいなかっ…

『歌集 小さな抵抗ー殺戮を拒んだ日本兵士』渡部良三著

歌集 小さな抵抗――殺戮を拒んだ日本兵 (岩波現代文庫) 作者:渡部 良三 岩波書店 Amazon 『歌集 小さな抵抗 ー殺戮を拒んだ日本兵』 渡部良三 (2011 岩波書店) キリスト者である著者は学徒出陣で中国へわたる。新米兵士に根性をつけるため捕虜の中国人を殺す…

中井久夫『戦争と平和 ある観察』

戦争と平和 ある観察(増補新装版) 作者:中井 久夫 人文書院 Amazon 「100分de名著」の中井久男特集の最後に「戦争と平和 ある観察」が取り上げられた。前回のブログのつづきとなるが、指南役の精神科医・斎藤環が「このエッセイで特に重要だと感じる中井の…

中井久夫「戦争と平和についての観察」

NHK 100分 de 名著 中井久夫スペシャル 2022年 12月 [雑誌] (NHKテキスト) NHK出版 Amazon 「100分de名著」で中井久夫を取り上げるというので、NHKオンデマンドで見た。彼の精神の病気についての様々な論考は精神科病院で働いていた時に読んで…

高見順『敗戦日記』

敗戦日記 (中公文庫BIBLIO) 作者:高見 順 中央公論新社 Amazon 『敗戦日記』高見順(中公文庫) 高見順の日記から昭和20年(1945年)の1年間の記録が載っている。 高見順は、鎌倉に住む文士。でも、疎開するお金もないので、悩みながらも鎌倉を離れることができ…

映画「日本と原発4年後」

www.youtube.com 『日本と原発4年後』 2015年 監督:河合弘之 先月、福島の被災地をまわるツアーに参加して、帰還困難区域にもはいり浪江町、飯館村などをまわってきた。そのこともあるところで報告するのでまとめているところ。 ツアーに参加する前に本を読…

好きなイギリス俳優が出ている映画2本。

スーパーノヴァ(字幕版) コリン・ファース Amazon 『スーパーノヴァ』 2020年 監督・脚本 ハリー・マックイーン 主演は、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチ。 コリン・ファースは音楽家。スタンリー・トィッチは作家。ふたりは若い時に出会い愛し合い…

映画「原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち」

先日、この映画をみるために雨の中、仙台へ行きました。 『原発を止めた裁判長 原発をとめる農家たち』 監督:小原浩靖 主役は、樋口英明元裁判長。 「2017年8月、名古屋家裁部総括判事で定年退官。2014年5月21日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差止を命じ…

気仙沼へ

先週のことだけど、電車で気仙沼にいった。「いわてホリデーパス」を使えば往復2500円。朝4時20分に家を出て盛岡駅まで歩く。夫はまだ寝ている。あれ、30分少しで着くと思ったのに、もう5時近く。発車は5時11分。最後は駆け足で駅へ。帰って来てから夫に「出…

ヤマナシの実

ヤマナシの実が今年はいっぱいなった。 借りている小屋の庭にヤマナシの木がある。 小屋の改修に手を付けたとき、このヤマナシの木は太い蔦にからまれ、まわりも細い柳の木があり、瀕死の状態だった。蔦を切るが、枝にからまってしまいはがせない。上のほう…

吉田美和子『単独者のあくび 尾形亀之助』

単独者のあくび 尾形亀之助 作者:吉田 美和子 木犀社 Amazon 『単独者のあくび 尾形亀之助』 吉田美和子著 (木犀社・2010年) この本は知り合いのTwitterなどに書かれていて目にはしていたのに読んでいなかった。 ページ数多くてお値段も高い。ようやくどっこ…

秋田へ

秋田へ行ってきた。新幹線こまちで1時間半もかからない。 夫が仕事があって秋田へ行くというので、「ずるいわたしも行く」となった。最近は町の家と山の家の往復ばかりで、少し飽きていた。 東北割というのがあって安く泊まれるというので、1泊することに。 …

ポリティカルコレクトネス?

わたしと息子たちは『ロード・オブ・ザ・リング』のファンである。映画は何度もみて、本も読んでいる。わたしは実家で、子どもをほったらかして夢中で本を読んでしまい、親と仲たがいしたきっかけとなった。「そんなんで子育てがきちんとできるの!」。子ど…

日記を書く

このブログは備忘録になっているけど、日々本を読んで、映画を見たことをぜんぶは書き入れられない。 ブログがおろそかになっているのは、SNSのせいかもしれない。夫と週末だけ文庫をはじめたので、文庫の宣伝のためにSNSをしている。FacebookとInstagramは…

映画『娘は戦場で生まれた』

娘は戦場で生まれた(字幕版) ワアド・アルカティーブ Amazon 映画「娘は戦場で生まれた」を見る。 映画の冒頭「そんなことを世界が許すとは思わなかった」と監督がいう。 わたしもそう考えていた。いまどき戦争や虐殺が許されるはずがない。しかし、戦争も虐…

ドキュメンタリー映画2本「愛国と教育」「私のはなし 部落のはなし」

わかっていたことだ。ニュースで報道されることをつなぎあわせていけば、この国は戦前に回帰したがっている。なぜなのか。だれかが誰かを支配し、偉くなって国民をコントロールすれば都合がいいからだ。都合がいいのは何に? お金と名誉。なんというか、反吐…

映画「アイ・キャン・スピーク」

アイ・キャン・スピーク(字幕版) ナ・ムニ Amazon 「アイ・キャン・スピーク」 2017年 監督:キム・ヒョソク 主演:ナ・ムニ、 イ・ジエフン 最近映画をあまりみていない。 寝る前にドラマ『メンタリスト』をみるのが習慣になっている。面白いと人に聞いた…

伊藤比呂美『たそがれてゆく子さん』

たそがれてゆく子さん (中公文庫 い 110-6) 作者:伊藤 比呂美 中央公論新社 Amazon 『たそがれてゆく子さん』 伊藤比呂美 (中公文庫) きのう本屋で別の本を探していたけど、この本をまだ読んでいなかったと買ってしまい。1日で読む。 著者と同年代である。『…

逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon 今話題の『同志少女よ、敵を撃て』を読みました。 少し前にNHKラジオ「飛ぶ教室」で高橋源一郎が紹介していたので、図書館で検索したら、すでに蔵書されていた。もちろん貸し出し中。一昨日、図書館か…

徐京植『プリーモ・レーヴィへの旅』・プリーモ・レーヴィ『アウシュヴィッツは終わらない』

プリーモ・レーヴィへの旅 作者:徐 京植 朝日新聞社 Amazon NHKオンデマンドで「こころの時代」のアーカイブ「フクシマを歩いて」を見た。 徐京植という作家を知らなかった。オルテガの訳者だった佐々木孝さんも知らなかった。プリーモ・レーヴィも知らなか…

梅を干す

去年、下記の詩を県の芸術祭に送ったら、入選していた。 はじめて応募した。無料だし、メールで送れて簡単なところが良かった。 芸術祭の冊子ができたようなので、本屋で立ち読みした。(ただの入選者には送ってくれないようだ。) 評には、途中からSFになっ…

映画『戦争と人間』

戦争と人間 第一部「運命の序曲」 滝沢修 Amazon 『戦争と人間』は、1970年から1973年に公開された戦争大河ドラマ。監督は山本薩夫、原作は五味川純平。キャストは、当時のスター俳優が勢ぞろい。 私としたことが、この映画を観ていなかった。満州のことを描…

北林谷栄『九十三齢春秋』

九十三齢春秋 作者:北林 谷榮 岩波書店 Amazon 古本屋で北林谷栄さんの本を見つけて買ってしまう。 なつかしい役者さんだ。老け役といえば北林谷栄であった。 ずいぶん若い時分から老け役を演じた。 そのきっかけは、宇野重吉が久保田万太郎演出の舞台での老…

3月になったのに雪

きょうは3月6日。啓蟄も過ぎたのに夜から雪が降っています。今週は暖かくなるようだから、さいごの雪となってくれるだろうか。 白鳥たちも帰り支度に忙しい。朝方に騒がしいと思って窓を開けたら、100匹以上いる白鳥の大群が飛んでいる。 1カ所に100匹も…