胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

黄金のアデーレ 名画の帰還



クリムトの名画「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」。
この肖像画のモデルの姪が、この絵をオーストリア政府から取り戻そうとする物語。
コンビを組むのは、同じくオーストリアの名家の血を受けながら、食えない弁護士をしている青年。

物語に主役のマリアの回想があります。
優雅なユダヤ人の上流階級の暮らし。
ナチスオーストリア侵攻とともに崩れます。
その時に、オーストリア人もドイツ人と同じようにユダヤ人を見捨てたのです。
そのことをマリアは許せず、オーストリアの地にもどることを拒否しています。

マリアが夫とアメリカに逃亡する過程にはハラハラさせられます。
年老いた親を置いての国外逃亡。
掴まれば収容所行きなのは、私たちはわかっています。
ああいう場面で平静を保っていられるかと思うのです。
とにかく「生きてくれ」というマリアのお父さんの演技が良かったです。

マリアを演じたヘレン・ミレンが素敵でした。
そのファッションに目がいってしまいました。