胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

メイ・サートン『70歳の日記』

 

70歳の日記

70歳の日記

 

 メイ・サートンの日記は数々読んできた。『夢見つつ深く植えよ』『独り居の日記』『海辺の家』『82歳の日記』。小説も読んだ。『今かくあれども』の老人ホームに入居した老人の最後は印象に残る。

このあいだ、図書館で『70歳の日記』をみつけてよみはじめる。まだぜんぶ読んでいないのでメモ。でも、メイ・サートンは友達や信望者に囲まれてなかなか一人になれないのがおかしくもある。孤独を好むけれど、アメリカ人の孤独は大きな人間関係から少し離れるという感じがする。友は大事なのだ。

 

メモ

メイ・サートンが日記で引用していたアン・トゥルーイット(アメリカの彫刻家)の『あるアーティストの日記』よりの再引用。

P59「よくよく注意しないかぎり、私たちは互いに自分の先入観にもとづいたイメージにしがみついて相手を判断してしまう。その先入観とは、自分以外のものに対する無関心からくるものだ。この無関心は極端な場合、一種の殺人ともなりうる。思うに、それはかなりよくある現象だ。自分については自主性を主張し、それによって他人を自分の都合のいいように決めつけるという横暴に陥りかねないことには気づかない。自分が認めたい部分だけに注目することで、私たちは相手を知らないあいだにコントロールしている。…この無関心の対極にあるのが愛だ。それは相手の自主性を認め、互いを発見しあうことを可能にするようなかたちで相手を尊重すること。」