胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

石川文洋著『沖縄の70年』

 

 

石川文洋著 『フォト・ストーリー 沖縄の70年』

 

ベトナムへ旅をして次にどこへ行きたいかと考えて、沖縄と思った。東京の大学時代のいちばん仲よくしてもらった友達は、沖縄の人だった。「会いたいね」と年賀状のやりとりをしていたけれど、お互いに子育中の家庭と仕事を抱えて時間がとれなかった。いま行くべきだな。計画してみようと思って夫に話すと、「この間ラジオで井上ひさしさんの娘が話していたよ」と以下の話を教えてくれる。

 若い娘が「沖縄へ行く」と父である井上ひさしさんに話したら、「まず、沖縄のことをきちんと勉強してから」と許さなかったそうである。ビーチでのバカンス気分で行くのはダメだということ。

 わたしも沖縄の焼き物、パナリ焼きがみたいなんて思っていた。沖縄についてニュースなどみると政府への怒りがわいてくるし、翁長知事が亡くなったのは悲しかった。日本にもあんな立派な人がいるんだなと思った。でも、沖縄の歴史というと何も知らないも同然。わたしも勉強して沖縄にいき、いろいろ見てみたいと思った。それで、図書館で沖縄関係の本を借りてくる。

 まず、写真もたくさんあって読みやすい本だと思い石川文洋氏の本にする。

 

 とくに「天皇陛下から玉砕命令がくだった」という言葉にショック。いままでも聞いたことはあるが、怒りがわきでてくる。現代では、天皇が国民に「国のために死ね」と言われても本気にする人もあまりいないだろうけれど、むかしは皇民教育が行われていて、国民は「天皇の赤子」だった。

 アメリカに降参してはダメだった。自分の子を殺し、日本軍に殺された。降伏して捕虜になったほうが生き残った可能性はあった。教育とは恐ろしいもの。いままた愛国心的な教育が何をもたらすのかは目に見えている。

 戦争は普通の人々を犠牲にする。普通の人が兵隊になり、民衆の家のうえに爆弾を落とす。

 そして戦争の始まりはいつも嘘の猿芝居だ。ベトナム戦争ははじまったトンキン湾事件アメリカの嘘だったし、イランの大量破壊兵器や少女の訴えもすべて嘘であった。パールハーバーの襲撃もアメリカは知っていたと聞いたことがある。戦争の口実にもってこいだったのかもしれない。日本が中国戦争を始めた盧溝橋事件もやらせだった。わたしたちはなんども嘘にだまされる。騙されたいのかも。マスコミが先頭に立って憎しみをあおる。

 教育も戦争もなんどでも同じ手法が使われ、同じことが起こる。

トンキン湾事件https://www.y-history.net/appendix/wh1603-065.html

「ナイラ証言」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%A9%E8%A8%BC%E8%A8%80

 

 アメリカ軍に捕虜になり殺されるよりはと、我が子を殺す親。これは日本独自のものなのか。世界の悲惨な戦争で相手軍に殺されるよりはと子を殺していた例はあるのだろうか、気になるところである。