胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

赤坂真理著『箱の中の天皇』

 『東京プリズン』につづき赤坂真理の『箱の中の天皇』を読む。

『東京プリズン』につづく日本と天皇をめぐるものがたり。

本の中の下記の言葉。

「悪魔はいません。ただおびえた人が、います」(P103)

おびえた人々は悪魔よりこわい。凡庸な悪に通じるもの。

自分の地位をお金を名誉を、なんかわからないものを守りたくて非人道的なこともしてしまう。拒否する心はない。まわりと一心同体になって熱狂する正義にひたり、自分が強い気分でいる。

すべてはおびえた小さな人間である。ほんんとうは無名で終わるべき小市民。そういうひとたちはとても使いやすい。

 

『大津波のあと』

 ほかふたつの物語とイメージが似ているために、すこし退屈するが、あらためて原発ではたらく人、原発ジプシーと呼ばれる人、外国人、ほんとうのところは何が行われているのだろうと、日々のなかで忘れてしまっていることを思い出された。

 

箱の中の天皇

箱の中の天皇