映画『もうひとりの息子』
『もうひとりの息子』
監督:ロレーヌ・レヴィ
公式サイト:http://www.moviola.jp/son/cast.html
出産時に子どもを取り違えられ育てるという物語を様々ある。二つの家庭に貧富の差などの家庭の違いがドラマの背景にある。でも、今回の2組の家族はテルアビブに住むイスラエル人の軍人家族と壁の向こうのヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)に住むパレスチナ人(アラブ人)。中東戦争時にたまたまある地方の病院で出産したときに爆撃があり、避難のさなかのミスで赤ん坊を取り違えた。ユダヤ人の息子の兵役検査で血液型の違いから両親は気がつき調査する。
今回の取り違えは、宗教、民族、文化、言葉の壁がある。二つの家族が意思疎通できるのはフランス語。でも、外見で判断できないというのは、隣同士に住むイスラエル人もパレスチナ人も民俗的に差はないということ。東洋人の子どもだったら「私の子ではない」とすぐわかるのだから。敵対するふたつの民族は実は近しいという皮肉がある。
イスラエルの壁とはどういうものか知るには『オマールの壁』もいい。
『オマールの壁』