胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

映画『バーニング』

 

バーニング 劇場版(字幕版)

バーニング 劇場版(字幕版)

  • 発売日: 2019/08/07
  • メディア: Prime Video
 

 『バーニング』 2018年韓国映画

 監督:イ・チャンドン

 主演:ユ・アイン

 

 村上春樹の短編『納屋を焼く』が原作。たしかうちに文庫本があったかもと探す。映画を観終わってから『納屋を焼く』読む。登場人物の設定は少し変えていてもセリフはそのまま同じ。後半の主人公イ・ジョンスがベンを追うストーリーが新しいサスペンス的な展開になっている。ウィリアム・フォークナーの短編『納屋を焼く』の世界も映画の中に表れているというので、フォークナーの短編も読んでみたい。

 長い映画だけど飽きさせない。さいきん、日本映画も観ようとするのだけど、飽きて途中でやめることが多かった。早回しして結末だけみたり。何が違うのだろ。演出されている役者の演技に間の取り方、リアリティ、韓国映画のほうがあきらかにいい作品が多いように思う。映画界も韓国に抜かれたね。

 もともと裕福な生活をしている層という人たちがいる。生まれたときからお金持ちなのだ。無邪気な残酷さと退屈な空虚なこころ。這い上がろうとしても届かない層もいる。這い上がれた層は今の生活を維持するのに精いっぱい。こころの余裕はない。そして、田舎にはそんなことどうでもいい層もいる。でも、現代は情報の社会だ。若い人はなぜ自分たちはこんな生活をしているのだと不満に思う。都会に出る。田舎で優秀でも、都会にでれば優秀な子はいくらでもいる。きれいな子もいくらでもいる。傷ついて精神病んで田舎にもどりひきこもる。自分のプライドを守るためには、自分の世界から出ないのがいちばんだ。外の世界は美しいよ、緑がきれいと呼び掛けても、見ているものが違うのだから、土の上に立ってもらうのは難しい。