胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

映画『みかんの丘』『とうもろこしの島』

 

みかんの丘(字幕版)

みかんの丘(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 『みかんの丘』 2013年公開  エストニアジョージアの合作映画

 監督:タダ・ウルシャゼ

 

アブバジア自治共和国内に住むエストニア人。映画は1992年~1994年に起こったアブバジア紛争が舞台。みかん箱を作るイヴォとミカン栽培農家のマルガス。みかんの収穫におわれる二人の目の前で銃撃戦があり、傷を負った二人の兵士を助ける。二人はアブバジアを支援する傭兵のチェチェン人のアハメドジョージア人の二カ。敵同士である。ひとりはイスラム教徒、もううひとりはキリスト教徒。いがみあう二人。みかんの収穫だけが心配なマルガス。たんたんと二人をさとすイヴォ。

ニカが言う。「歴史を知らないのか、勉強していないんだな」。でも、教えられた歴史は民族ごとに違うのではないか。どの歴史も自分の国に都合の良いことしか書かなくなる。被害者はわたしだと。我が国こそまわりの国より優秀だと。それに熱狂する若者。

でも、イヴォはもうさんざん国や兵士のやり口はわかっている。マルガスは「金じゃないんだ。みかんがだめになるのが悔しい」と収穫にあせる。

イヴォは種を蒔くことはできたかもしれない。ニカが大事にしていたテープをかけて故郷に帰るアハメド。彼は戦場にもどらないと思いたい。

なんていい映画なんだ。

 

 

とうもろこしの島(字幕版)

とうもろこしの島(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 『とうもろこしの島』 2014年  ジョージアチェコスロバキア・ドイツ他合作

 監督:キオルギ・オバシュビリ

 

 この映画もジョージアとアブバジアの戦闘の中でトウモロコシを育てる老人と孫娘の物語である。老人が傷ついた兵士を助ける。両陣営に挨拶し受け入れるが、きっと兵隊が嫌いなのだろう。ほとんどセリフがない映画。川岸からは鳥の声とともに鉄砲の音が響く。老人がなぜ危ない場所にトウモロコシを蒔いて育てているのか。肥沃な中州でトウモロコシを育てる風習を受け継いでいても危険すぎる。コツコツとひとりで小屋をつくり耕す老人の姿を見ていると、兵隊がいつも一人では行動できない弱虫に見えてくる。老人はひとりだ。戦争で両親をなくした孫娘を大事にしているが、信念は変わらずある。大事なのは土だということ。

 

町の家に泊まったから、公開された『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を観に行きたかったが、給料日まで1万円しかない。大事に使わなくてはいけない。貯蓄預金はあるけど、足りないからとおろしていたらお金はたまらない。映画館はあきらめることにした。しばらくしたらAmazonプライムで観られるだろう。わたしは年金額がとても少ない。50歳になるまで会社であまり働いたことないし、年金も免除が多かった。50歳で勤め始めて数年たって、ようやく年金の受給権利がでてきた。夫も自営業である。年金は微々たるもの。国保介護保険料でなくなるような金額だ。いったい老後の生活はどうするのだと思うのだけど、なるようにしかならないのだろう。でも、その日のために節約する生活は習慣にしておかないといけない。

いま、電通の中抜き問題やいろいろ税金の無駄使いがあるけれど、本当に違う世界があると知っている。霞が関に働く親戚。一等地にマンションあり、子どもの教育留学、セレブのお付き合いにお金かかる。昔遊びに行って、幼稚園のお迎えにパールのネックレスつけた素敵なワンピースに着替えていたのをびっくりしたな。スポ少のご苦労さん会は父兄の一人の六本木のマンションの最上階でケータリングのごちそう。うちのスポ少なんて公民館借りてホットプレートで焼きそばだった。違う世界をながめていたが、今では付き合いはない。付き合えない。でも、そういうお金持ちの人たちは、いくらお金があっても足りないのだ。良い給料をもらっているのに、不動産投資をしたりもっともっと思う。だから、そうなんだなとニュースを聞いている。どんな時代が来ようとも、欲張らずに質素に心正しく生きたいと思う。親戚の中からは貧乏生活をバカにされているようだけど、どうせ少しすればみんな死ぬのである。毎日機嫌よく暮らせれば、同じことのような気がする。