胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

カレン・ヘス『リフカの旅』

 

リフカの旅

リフカの旅

 

 『リフカの旅』 カレン・ヘス著 / 伊藤比呂美・西更 訳

 

 カレン・ヘス著で伊藤比呂美が訳した『ビリー・ジョーの大地』を昔々読んで面白かったから、この本も読んでみた。

 「アメリカに渡って生活する」。アメリカンドリームがまだまだ信じられた時代。カレン・ヘスが親戚の高齢者から話を聞いて書いたという物語。

 アメリカの移民がみんな成功して中流家庭を築けるわけではないが、市民権を得られれば、ドイツ系アメリカ人、中国系、日系とは言われるけど、ふつうに仕事をしたり役所にいたりしている姿が映画やドラマに出てくる。職場に人種が違う人たちがいて対等に働く。すごく当たり前のこと。日本の企業で役所で、フィリッピン系日本人、ベトナム系、イラン系、中国系の人たちがふつうに働く時代は来ないかもしれない。でも、そんなふうになったら面白いな、と思うのは変だろうか。

 アメリカも変わった。人種や貧富に関係なく才能を重視してきたからアメリカは発展してきたのかもしれない。金持ちだけが優遇される世界に変われば、どの世界も衰退するのではないかと思うのだ。