映画『人生、ここにあり』
『人生、ここにあり(Si può fare) 』 2008年
監督:ジュリオ・マンフレドニア
イタリアで精神科病院を廃止し地域の保健サービスへ移行したバザリーア改革。
イタリアでなんでこういう改革ができたかというと、精神科病院が公立が主だったからだと聞きました。公務員だから、病院の仕事を地域の仕事に移動させればいい。日本の精神科病院はほとんど民間です。儲けるためにはベッドを埋めないといけない。最近は長期入院はさせないようにしても、3カ月たてば急性期病棟に入院できる。回転ドアのような状態も多いのではないだろうか。長期的に地域で生活できるための社会資源も少ないし、差別も根強い。わたしが勉強したときにも精神科病院の病床を減らすという目標がありましたが、何年たっても改革は進みません。精神科病床数が日本はダントツに多いだけでなく、入院日数も群を抜いて異常に長いのです。
参考
この映画は、病院のデイケアに左遷された男が、精神障害を持つ人たちに自分で稼ぐ仕事をさせようとします。みんなは年金をもらっているし、特別に仕事したいと思っていない。自分たちに自由はないと思っている。でも、仕事の面白さ、お金を稼ぐ面白さに目覚めていく。でも悲劇も起こり挫折し、その後・・・。イタリア人らしく面白おかしく描いて楽しめて心痛める映画です。Amazonプライムで観られるのがうれしい。
この映画は、ずいぶん前に患者さんたちの絵の展覧会を開いたときに、イベントの一つとして上映しました。あの頃は自分にパワーがあったなと思い出します。チラシ作り、ドクターへの交渉や絵の搬入、いろいろなことを協力者の看護師さんとやったのでした。いろいろ自由にできる職場でした。田舎に住むと目立たないようにしている自分がいます。引きこもりとなっています。