見るのに忙しい
季節はずんずん進んでいく。出勤前に庭をひとめぐりするだけでも、足元、目の上、いろいろな花が咲き始めている。いつの間にか咲いている。もう咲いていると毎回びっくりする。
裸のモミジの木もいつの間にか芽を出し、新緑になり花をつけている。家には4本のモミジがあり、暑い日の木陰を作ってくれる。私が山から引っこ抜いてきて植えたモミジだ。幹もだいぶ太くなってきた。幹をなでながら、あの世に持って行きたいものだと思った。
大事にしていた姫リンゴの花も咲いている。大きくなりすぎて、去年ずいぶん刈り込みされてしまったけれど、花をつけていた。
福寿草とカタクリの花が終わると、地面も花盛りになる。タンポポ、スミレ、名も知らぬ花。
そして昨日、盛岡に向かう車から眺めれば、大好きなウワズミサクラが大きく揺れ、コデマリも咲いている。フジの紫も見れる。まったく見るのに忙しい。いつもより早いのではないかな。見ておかないと来年まで見られない。そうして、だんだんに来年が私にあるのかも自信がなくなってきた。見ておこう見ておこうと、心休まない春である。