胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

車谷長吉『漂流物・武蔵丸』

 

我が家では車谷長吉ブームが起こっていた。名前は知っていても読んだことが無かった。

なぜ、車谷長吉を読みはじめたのか。そもそもは、柳本々々さんの『バームクーヘンでわたしは眠った もともとの川柳日記』を読んだら、高橋順子という詩人の詩のことを書いていた。高橋順子を調べると夫が車谷長吉だとのこと。図書館で、高橋順子の詩集と『夫・車谷長吉』を借りてきた。『夫・車谷長吉』が面白くて車谷長吉を読みたくなった。夫に車谷長吉のことを話したら、さっそくkindleで買って読んでいた。織田作之助の文体と似ているなどと言っているが、織田作之助も読んだことが無い。わたしも負けずに車谷長吉の本を図書館から借りてきた。車谷長吉、いろいろ実名で言っちゃいけないことも書くので、各方面から怒りもかったみたいだけど、年月が経てば笑いごとになっていないだろうか。書かれた本人は笑えないのか。それにしても純粋でけったいな人だ。透明なものをもっているのだけれど、そういう人はたいてい精神の病をもつことになるのかもしれない。死んでも芸は残るのね。夫と車谷長吉はいいねえと読んでいる。