胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

少年H

 テレビで「少年H」を観た。小説も評判だと聞いていたので、一度見てみようと思った。この映画を観て感動した人は、国が戦争に向かうとき同調行動はしないのだろうか。
 前に小さな息子とテレビで戦時中のドラマを見ていた。タイトルは覚えていないけれど、戦争に反対する共産党系の父が逮捕されたかなにかで、家族が近所の人や先生からいじめられていた。息子は、「かわいそうだね」と言っていた。いじめの先頭に立っていたのは、町内会長さんのような人。私はその時に息子に言った。「近所のいい人たちが、戦時下では自分を守るために、こうなる」「私たちのまわりのいい人がこうなる」と、小さな子に言うことではなかったかな。

 歴史はどうしてしまったのだろう。あの戦争はいけないことだった。美化されていいものではない。あの時代のマスコミは映画の中で父が言うように、本当のことは書かなかった。それらは本当のことだったはず。だれも反省などしていなかったのか。そんなことはない。本当の人間の心を信じたいが。