胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

シートン 子どもに愛されたナチュラリスト

シートン―子どもに愛されたナチュラリスト (福音館の単行本)

シートン―子どもに愛されたナチュラリスト (福音館の単行本)

 年末年始は『シートン 子どもに愛されたナチュラリスト』を山の家で読んでいた。谷口ジローの漫画4巻で、シートンは開拓農場にいたり、ロンドン、パリ、ニューヨークに住んでいるので、どういう旅路をしていたのか良くわからなかったが、このシートンの伝記で彼の旅の軌跡を知ることができた。また、シートンの頑固なまでの自然と動物への愛を知ることになった。シートンが懸念する自然破壊は、とどまることをしらずに現代にある。レイチェル・カーソンが警告しようが、シートンが運動しようが、企業の論理金持ちの論理が通ってしまう世の中。

 山の家で、朝の犬の散歩の時、転ばないように下を見て歩いていた。ピューという音が何回も聞こえるので、鳥かと思い上を見たら、崖の上から鹿が2匹見おろしていた。鳴き声は、仲間に警戒しろと言っているんだと夫は言うけれど、私に気づかせるための声だったような気もする。さっさと逃げないで、ずっと見ている。手を振って「おはよう」と言ったり、踊って見せてもずっと見ていて、逃げない。どうせ、犬の散歩とわかっているのだろう。うちのラブラドールは鹿に興味なし。
その鹿をハンターが撃ちに来ている。鹿が増えて奨励されているようだ。撃つのはいいけれど、しっかり持って帰り、食べて欲しい。しかし、山仕事の人たちの話では、撃っても死んだ鹿をそのままにしていくとのこと。ひどいことだ。(放射能の心配もあり、鹿肉を売ることもできない。なんていうことなんだ。こんなに豊かな自然の恵みに放射能の心配がつきまとう。)
鹿には、私たちも畑の作物を食べられて困っているけれど、知恵を絞ってなんとかしよう。鹿と一緒に暮らしているのも楽しいことではある。

引用したい文もたくさんあったが、長男が本を貸してしまった。訳者の今泉さんの文章は、語りかけるように優しくて、シートンと動物への愛が感じられる。子どもの心をもったすべての人に読んでもらいたい本である。