死の棘
- 作者: 島尾敏雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1981/01/27
- メディア: 文庫
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身につまされる。
私もこんなふうに夫を責めていたことはないか。
私の場合は不倫ではなく、都会を離れて夫の故郷に住んだことの恨み。
もう少し東京に近ければ。
友達も親戚もいないところで、ひとり子育てして、帰りたい帰りたいと思っていた時、
あの時はああだこうだと責めていた。
結婚している女性には思い当たることも多い話だが、ミホさんの場合はすごい。
そこまで島尾敏雄を愛していたのだろう。
そうして、島尾敏雄の何も解決しない繰り言のような二人の生活の記録もすごい。
ただの夫婦げんかでがない、魂の問題なんだと思わせる。
そうして、こういうものをミホさんも発表させるんだから、ふたりは書く人なんだ。
- 発売日: 2013/11/26
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映画も観てしまったけど、やはり小説にはかなわない。街を歩いても電車に乗っても敏雄の不安な独白が表現されてないし、岸部一徳の声を聴くと違う気がする。松坂慶子はきれいで、ミホさんも満足したのではと思った。
- 作者: A.ソクーロフ,島尾ミホ,吉増剛造,児島宏子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/05/02
- メディア: 単行本
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ついでに、この本も読んだ。映画が見てみたい。
娘の島尾マヤさんが映画に出てくる。マヤさんは言葉を失ったと書かれてあった。
『死の棘』に出てくる子どもたちは、今でなら虐待通告されてしまうかもしれない。でも、これは島尾家の家族関係。だれかが犠牲になっても成し遂げるものがあったのかもしれない。