胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

緑の家

緑の家(上) (岩波文庫)

緑の家(上) (岩波文庫)

緑の家(下) (岩波文庫)

緑の家(下) (岩波文庫)

東京、千葉、長野へ行ってきました。長い電車の中で読むために持って行った本です。
登場人物が多すぎて、話が最初は見えません。
同じような名前が出てくるので、混乱します。
それでも、何か読み進めてしまう魔力があり、読み進めるうちにそれぞれのお話がつながっていきます。

訳者の解説に下記の文がある。
 

バルガス=リョサはべつのところで、自分はフォーク名から多くのことを学んだが、人間の内面にこだわり、それを描き出そうとするやり方はあまり好きではない。自分はむしろ、行為、行動といった外に現れてくるものに興味があり、それを描くことで人物の内面を浮かび上がらせたいと考えている。

この『緑の家』でも、登場人物は内省したり、独白は無く、行動しおしゃべりし、蚊に嘆く。
とにかく読ませてしまう魅力はそこら辺にあるようだ。
そうして、ひとつのセリフが登場人物の気持ちをあらわにして、衝撃を受ける。
映像にしたら面白そうだけど、長すぎて映画にできないと思う。
ぜったい原作のほうが良いと言われるだけだ。