胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

映画『ヘイトフル・エイト』

 

 

 『ヘイトフル・エイト』 2015年

 監督:クエンティン・タランティーノ

 公式サイト:http://gaga.ne.jp/hateful8/top/about/index.html

 

 密室殺人劇だが、誰が殺されるのかドキドキ感はない。殺されるときはあっさり殺される。どんどん殺され全員死ぬという物語。えげつない映画なのに、「リンカーンの手紙」がなにか物悲しいものを漂わせる。「いい手紙だ」と感心する首吊り人のジョン・ルース。横暴だけどどこか情にもろそう。彼の獲物であるドメルグがギターを弾いて歌っているとき、ルースは感心した。でも、ギターを取り上げ叩き壊す。自分の感情がふと優しくなったのが嫌だったのだろう。最後に敵対していた黒人と南部兵士くずれの若者が生き残り、リンカーンの手紙を読む。いい手紙ってこの時代温かいものだった。そして、ならず者たちもリンカーンがもしかしたらいい時代を築いてくれると夢をもったのかもしれない。