子ども虐待という第4の発達障害
- 作者: 杉山登志郎
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2007/04/24
- メディア: 単行本
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精神科では、統合失調症より解離性障害、人格障害、発達障害が多くなっていくと考える。もちろん、統合失調症の苦労は解決された訳ではないけれど、見えない部分で苦労が広がっているのが統合失調症以外の病気である。
その裏に虐待などの不適切な家庭環境は必ずと言っていいほどセットになり、それは連鎖している。
子どもの出生率が上がったなんて喜んでいる場合ではない。『心のノート』を復活させたり、親学を教えたりするのも何の火消しにもならない。社会的に排除された人たちが確かにいる。
そういう若い人の話を家庭ですると、「お母さんはそういう人たちとばかり会っているから」と言われる。友達にそういう子はいないと。「リストカットしている女の子が一人いる」とは言う。息子は一応進学校にいるし、本人は超鈍感なので人の痛みなどに気がつかないかもしれない。普通の生活をしていれば見えない部分がある。でも、確実に広がっている。
今日の新聞にも17歳の夫婦の子どもが虐待され骨折したニュースが小さく載っていた。17歳で子育てしている若者の背景は何通りか想像できる。それは特別な事件ではない。
見えている私たちにさえ何もできない。
神様に祈るしかない。
「どうぞ、うまく生活できますように」
先日読んだ斎藤環の本にも、下記の様に書いてあった。
これまでわれわれには、「いい人と出会ってくれよ」と祈るしかなかった。しかし、もはやそうとばかりも言っていられません。
祈ってばかりいられなくて、何か効果的な方法がないと。17歳の親やうまく生活できない親に産まれて来たことは仕方ないが、サポートできる仕組みがあればいいが、今の学校、行政、精神保健関係にはその手腕がない。
早期に介入していかないといけない事例ばかりなので、保育園から学校というのが一番支援をつぎ込む時期なのだが・・・。学校はどうなっているのだろう。
声を上げていくしかないのかな。見てしまった、出会ってしまった責任として。