胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

高垣リミ 「東と西の間」展


 彫刻家の高垣リミさんの「東と西の間」展に行った。久しぶりに良いものに出会った感じを受けた。インスパイアされる感じ。何かを作りたくなる。
 漆を漉す時の綿を使った作品である。ポスターを見たときは絵かと思ったが、立体の山羊さん達が並んでいる。山羊の目は、台焼きの半球体であり、左右で模様が違う。山羊は左右で違うものを見ていると思ったからだそうだ。足など木の部分は、リミさんが彫って浄法寺塗りが塗られている。漆うるししていない渋い塗り方である。
 漆を漉す綿は、福井の漆屋さんから手に入れたものだそうだ。リミさんは奈良に住む。福井まで通い、漆漉し綿を形づくったという。その綿はすぐに固まってしまうので、さっさと作業をしなくてはいけないようだ。上下のヤッケに身を包み、作業している自分は変なおばさんだと笑っていたが、リミさんはふんわりした雰囲気をもつかわいらしい女性だった。作品と同じように、久しぶりにもっとお話をしてみたいと感じた。そのせいで、泉鏡花のことなど余計なことをおしゃべりして帰ってきた。
 もう終わってしまったけれど、6月は、京都のギャラリーマロニエで展示されるそうです。