胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

海辺の生と死

島尾敏雄島尾ミホという名前は知っていたけれど、読んだことがなかった。
先日、ふたりの孫で漫画家の島尾まほさんがラジオでインタビューに出ていて、図書館で『海辺の生と死』を借りてくる。
島尾ミホのお母様の大きさを感じる話、島の自然に感心させられる。
まるでメルヘンだけれど、奄美大島だけでなく日本の山村にあった人情や地域性なのだろう。

昨日、となりのおんちゃんと川のそばに座りながら、話をした。
おんちゃんは、70代。
その頃の山も里山も変わってしまった。
熊は昔、山奥に行って会えるものだったのに、今ではおんちゃんと我が家の庭先にいる。
山にも放射能が降った。
「せっかく山の木を手入れしても、ならの木は使えないんだろう。椎茸はどうなったのか」
「今年から、出荷して良くなったんじゃないかな。詳しくはわからないけど、放射線が基準値以下だって」
私たちが普通に会話していること。
70年前には考えられなかったこと。

たしかに生活は便利になって食べ物もありあまるほどある。
それとひきかえに無くした物が多すぎて、取り返しはきかないことを思い知る。


次回は、『死の棘』を借りてこよう。