海辺の生と死
- 作者: 島尾ミホ
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/07/23
- メディア: 文庫
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島尾敏雄、島尾ミホという名前は知っていたけれど、読んだことがなかった。
先日、ふたりの孫で漫画家の島尾まほさんがラジオでインタビューに出ていて、図書館で『海辺の生と死』を借りてくる。
島尾ミホのお母様の大きさを感じる話、島の自然に感心させられる。
まるでメルヘンだけれど、奄美大島だけでなく日本の山村にあった人情や地域性なのだろう。
昨日、となりのおんちゃんと川のそばに座りながら、話をした。
おんちゃんは、70代。
その頃の山も里山も変わってしまった。
熊は昔、山奥に行って会えるものだったのに、今ではおんちゃんと我が家の庭先にいる。
山にも放射能が降った。
「せっかく山の木を手入れしても、ならの木は使えないんだろう。椎茸はどうなったのか」
「今年から、出荷して良くなったんじゃないかな。詳しくはわからないけど、放射線が基準値以下だって」
私たちが普通に会話していること。
70年前には考えられなかったこと。
たしかに生活は便利になって食べ物もありあまるほどある。
それとひきかえに無くした物が多すぎて、取り返しはきかないことを思い知る。
次回は、『死の棘』を借りてこよう。