胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

ADHDの本

ADHD 注意欠陥多動性障害の本 (セレクトBOOKS育ちあう子育ての本)

ADHD 注意欠陥多動性障害の本 (セレクトBOOKS育ちあう子育ての本)

某事務所に置いてあった本を暇つぶしにパラパラ見る。
これって、息子たちのことではないの。
片づけられない、宿題やらない、部屋は乱雑、提出物ださない、部活に熱心しすぎて勉強しない。
たいてい、男子の親が集まると、「ランドルセルの底から半年前の連絡プリントが出てきた」「エナメルバックから、いつのかわからない黴たお握りが出てきた」と、息子の駄目さ自慢大会になったりする。
西原恵理子の『毎日かあさん』の息子だっていつも泥んこになって、やることはやらない。
うちの息子、中学生の時の連絡帳はぜったい何も書かなかった。「先生とのコミュニケーションだから、書くように」と言っても無駄だと言った。
高校生の今でも、いっさいプリントは出さない。部活に夢中になり引退してから受験勉強している。靴は揃えない、部屋は臭い。

本によると、みんな発達障害になってしまいます。
発達障害だと言われても、それが何か。他人に迷惑かけているわけではないし、反社会的なことはしないし、アニメファンだし、その時その時は一生懸命やっているし、優しい。

本には、そういう発達障害の子どもへの対応が書かれています。
怒らないとか、好きだよと伝えるとか、自己肯定感を下がるようなことはNG。
書いてあることは、すべてもっともです。
発達障害あろうがなかろうが、親としての立派な態度です。
でも、怒鳴りたくなるのが親ですよね。
私もさんざん怒ってきました。
最近は、あきらめの心境です。学校のお便りなんて見なくっても死にやしません。
あんなに怒っても、息子の基本線は変わっていないので、無駄です。
今思えば、中学の連絡ノートなんて、この間の矢巾の自殺した男子の時に注目されましたが、無駄なことだと思います。息子よ、あなたが正しい。

そんなこんな思い出に浸りながら、読み進めると、最後は「役に立つ薬物治療法の知識」という章がありました。
発達障害は、薬を使って良くなることが多い、と漫画で、良くなって良い子になった子たちの事例がいくつも出てきます。
正直、反吐が出そうになりました。
この良い子というのは、大人がコントロールしやすい子ということですよね。
ちゃんと整列して並ぶことができる。コツコツ勉強できる。
私の知っている限り、薬飲んでぼーっと大人しくなった子はいるけれど、勉強できるようになった事例は知らないな。

本の中でも、昔はこういう子もいっぱいいたと、お父さんか祖父母が言いますが、「時代が変わったのです」という説明があったな。
時代が変わり、もっと変わると、少しでもおかしいと思ったら、薬を飲まされて大人しくされてしまわないだろうか。管理しやすい家畜のように。

薬の弊害は、私は子どもと親の成長を止めてしまうことにあると思う。
成長の過程で親も子もうまくいかないことを乗り越え、諦めたり、やり方を変えたり、そうして自分を作っていき、和解していき、お互い大人になっていくのに、薬で解決したら、大きな問題は残したまま大人になっている。

そういう子は、大人になって大人しくなっても不安定が残る。肝心な時に成長していないから。そうして、薬は飲み続けることになる。今度は抗不安薬睡眠薬抗うつ薬。薬と縁が切れない人生を歩んでいく。
親は親として成長していないから、いつもおろおろ、腹が座らない。そうして親子で悪循環に陥る。すごく良くあることだと思います。

できたら、本の事例にあるような子たちに薬を飲ませるのは、反対です。
あとは、親の判断ですね。
他人がとやかく言うことではないです。
将来、薬漬けにならないことを祈るばかりです。



自分のお子さんの発達障害が気になる方は、下記の石川憲彦先生の書いたものを読んでください。

http://www.mammo.tv/interview/archives/no318.html