胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

椿の海の記

椿の海の記 (1977年)

椿の海の記 (1977年)

 この本は眠るときに読んでいた。たいてい2ページ目までに良い気持ちになって寝てしまう。石牟礼道子の文章のリズムにはじめは慣れなかったけど、だんだんとその幽玄な世界に入っている。わたしも「おもかさま」とおもかさまのことを思い、段々畑から海を見る。
 寝るときに読むページも増えていく。
 時々、窒素会社の話が出てくる。
 みっちゃんが幼女であった時の自然の恵みとともに生きた人たち。
 海には山の恵みと同じぐらい魚も貝も獲れた。
 このあと悲劇がくる。
 水俣病への怒りの原点は、この豊潤な世界を潰したものたちへの怒り。
 そして、福島も。
 なんの反省も私たちになく、日本中に見えない形で、取り返しのつかないことが行われている。