椿の海の記
- 作者: 石牟礼道子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1977/03
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この本は眠るときに読んでいた。たいてい2ページ目までに良い気持ちになって寝てしまう。石牟礼道子の文章のリズムにはじめは慣れなかったけど、だんだんとその幽玄な世界に入っている。わたしも「おもかさま」とおもかさまのことを思い、段々畑から海を見る。
寝るときに読むページも増えていく。
時々、窒素会社の話が出てくる。
みっちゃんが幼女であった時の自然の恵みとともに生きた人たち。
海には山の恵みと同じぐらい魚も貝も獲れた。
このあと悲劇がくる。
水俣病への怒りの原点は、この豊潤な世界を潰したものたちへの怒り。
そして、福島も。
なんの反省も私たちになく、日本中に見えない形で、取り返しのつかないことが行われている。