村上春樹『もし僕のことばがウィスキーであったなら』
さいきん、ウィスキー好きになっている。
2年前のクリスマスに長男がボルモアをくれた。これが美味しかった。それから、ウィスキーが好きになった。といっても普段は1000円以下の安いウィスキー。安いウィスキーを夫は水やお湯で割るけど、わたしはいつもストレート。ストレートで飲まないと味がしないよ、と思う。我が家はまずビールでなく、まずウィスキーになってしまった。
コロナウイルスがヨーロッパ大感染の前に次男がロンドンにアパートを借りて2週間ぐらい滞在していた。お土産がアードベックの19年物。なかなか日本では高いようだ。これもうまかった。焦げ臭いような独特の味。こんなにおいしいものがあったのか。
そういうわけで、今年の父の日に長男が夫に「何か欲しいものはない?」と聞いたので、夫は「アードベッグ」と言った。送られてきたのは、アードベック10年物の1リットル瓶だった。
夕食前に外のテーブルでナッツをつまみにアードベックを一杯飲む。至福のひと時だ。
というわけで、村上春樹のウィスキーの本を再読してみる。ボルモア、アードベックもちゃんと出てくる。こんな旅がしてみたい。スコットランド、アイルランドの旅なんて夢で終わるだろうな。
村上春樹の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』に、生ガキにシングルモルトをたらして食べる描写がでてくる。伊藤比呂美の『ウマし』を読んだら、イギリス人の夫とアイラ島へ行き、同じように牡蠣にシングルモルトをかけて食べている。15年まえに日本人の男性がやりはじめて、日本人が好きなようで今ではメニューになっているそうである。村上春樹の名は書かれていなかった。15年前の日本人が村上春樹かどうかはわからないけど、確実に村上春樹の本を読んで真似している人は多いと思う。わたしは、伊藤比呂美のイギリス人の夫と同じだわ。シングルモルトはそれだけでいい。牡蠣もレモンと塩でいい。