映画『グローリー/明日への行進』
『グローリー/明日への行進』 2014年
監督:エイヴァ・デュブァーネイ
主演:デヴィット・オイェロウォ
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏のことをよく知らないと思い日曜日に映画を観る。はじまりはノーベル平和賞受賞のシーンからはじまる。しかし、ノーベル賞をとったとしてもアメリカ国内ではキング氏への敬意はない。
キング氏の「I Have a Dream」という言葉で有名である。これは、1963年8月のワシントン大行進の演説で語った言葉の一部。公民権運動を進めるきっかけになり、1964年にノーベル賞受賞。
映画は1965年3月に行われたアラバマ州セルマから州都モンゴメリーへの行進を題材にしている。南部は黒人差別がひどかった。黒人にも投票権はあるのに、投票の有権者登録をさせない、投票に行こうとすると嫌がらせをされる。命がけなのだ。黒人に暴力をふるうことが常態化している。虫けらとしか思っていない。
暴力や妨害に会いながらも全米から黒人、白人の応援も入って大行進になっていく。
映画の最後にキング氏の演説がある。要約すると、貧乏な白人には「黒人が悪い」と教える。憎む相手を与える。貧乏な白人のお腹をすかせた子どもには「黒人よりはましだ。おれたちは白人なんだ」と教える。違う! わたしたちは同じ人間。 神のもとで同じ平等、自由を!
どこでもあることだ。日本でも部落問題があり、在日の方、ハンセン病、生活保護の方、いろいろ人を差別する。貧乏人が世の中に不満がある人たちが自分より劣っていると言って差別する。怒る方向が違うだろう。生活が良くならないのは生活保護のせいではない。上の人たちのせいだろうと思う。でも、わたしたちはいつでも騙される。行く時代も同じことが繰り返される。もう少し頭が良くならないのだろうか。
「アメリカのレジェンド、黒人平等運動の先頭にいたジョン・ルイス氏が亡くなった」とニュースが入った。
☆米公民権運動の指導者、ジョン・ルイス下院議員が死去、80歳。
https://www.bbc.com/japanese/53453905
荻上チキのラジオ番組でジョン・ルイス氏の特集をしていて昨日聞いていた。
https://www.tbsradio.jp/505772
そして、ジョン・ルイスは「グローリー」出てきた学生非暴力調整委員会のジョンだと、つながった。ちょうどいい時に映画を観た。冥福を祈りたい。彼の伝記『MARCH』も読んでみたい。