胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

小さき声のカノン

『小さき声のかのん』を観て、鎌仲ひとみ監督のお話も聞きました。

これは事実なのだ。子どもたちの健康被害は広がっている。甲状腺がんを手術すれば、死ぬことはないと言われても、私が親だったら怒り狂うだろう。でも、声をあげられない。放射能の影響とは言えない雰囲気がある。

水俣の時と同じです。会社も国も健康被害との因果関係は長く認めませんでした。たくさんの運動のおかげで、重い腰をあげましたが、いつも逃げ越しです。

でも、水俣病の症状は激しく、その映像や写真は、何も考えない人にも訴える力がありました。水俣病の現実は伝わりやすかった。それでも、国は市民が立ち上がらなければ、知らないふりをしたでしょう。

福島の放射能の場合、癌や白血病や心臓病という形になっても、そういうのは良くあることなので、因果関係を証明できないと逃げやすいかもしれません。国民の2人に1人はがんになる時代だから、放射能汚染のせいではないと。

もし、がんが増えているとしたら、それは福島だけではなく、あらゆる原発や核実験が放出した放射能汚染のせいかもしれません。
放射能はやっかいです。見えないから、証明できない。皆ふつうに生きているじゃないかと言われる。

10年後20年後にどういう結果が出ても、誰も責任はとらない。また、保証金を出してお終い。

このきれいな日本を誰かが滅ぼしたがっているのでしょうか。
なぜ、福島の人たちを私たちは忘れてしまおうとしているのか。

なぜ、同じことを何度も繰り返すのか。

いっぱい考えないといけないことがあります。

本当に原発だけはいらないと思います。目先の利益は大事という人もいるかもしれませんが、世界が風の谷のナウシカのような、死の国になるのはだいぶ現実味を帯びてきました。

そんなにお金儲けしても、世界が汚染されたら、お金持ちの人も逃げきれるわけではなく、楽しくもない世界になるのに、なぜ、これ以上環境を破壊しようとするのか、わからないのです。

こんなに早く、こういうことが起こって、すべての子どもたちに大人はどの顔向けられるのか。あなたたちの未来の資源やお金を食いつくす怪物のようなこの国で、どう幸せに生きていくのか考えます。