胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

アクトレス〜女たちの舞台〜

ジュリエット・ビノシュ主演の映画です。
ジュリエット・ビノシュは、『トリコロール/青の愛』(1993年)でファンになりました。あれから、23年です。ジュリエット・ビノシュも貫禄がついています。

物語は、大もの女優も中年になり下り坂を感じて、あえぐお話です。
女優の元に、自分が女優として認められた舞台のリバイバルの話がきます。
でも、役は破滅していく中年女性の役。以前は、中年女性を破滅させる若い女性の役でした。

役作りの稽古のために、亡くなった物語の作者のスイスの家にマネージャーと泊まり込みます。
役のセリフと生活が判然としないときもあって、ドキッとします。
女優も苛立ちます。

優秀なマネージャーは、女優に自分の解釈を伝え、本読みに付き合います。
でも、このマネージャーの本読みが上手です。
マネージャーは、自分の意見を女優が受け入れないし、苛立たせるなら、自分はいらないと言います。
でも、マネージャーが苛立っていたのは違うことのような気もします。
マネージャーは、マネージャーではなくアーチスト体質だったのです。目の前の大きな女優に嫉妬しながらも才能を知っています。
意見の対立というより、そばにいられなくなったのだと思いました。

小悪魔的な若い女優の出番は少ないのですが、印象的です。でも、ジュリエット・ビノシュのための映画でした。

そして、辛い舞台を経て中年女優は違う次元に成長しそうです。
たぶん、マネージャーも自分の本当の才能に気がついているのだと思うことにします。


ショートカットのジュリエット・ビノシュがかっこいいです。