嘘
まど・みちおに次のような詩があります。
はなしの かいてんは
いよいよ いい ちょうしで
いよいよ スピードを あげ
せんぷうきのように
すきとおって くるのでした
みんなの 目には
もう むこうに
べろっと でている
まっかな したのほかには
なにも みえません
で そればかりを
おもしろがって
いっしんに ながめていました
もうすぐ選挙があります。
だれが嘘を言っているのか見抜く必要がありますが、
わたしが嘘だと思っても、言っている人たちはじぶんこそが正しいと思っているのだから、
嘘はどこにあるのか。
嘘だとわかっているのに、みんなが面白がっているのか。
とても危ないことなのに、自分の身に嘘は降りかかってこないと思っているのか。
嘘ばかりまかり通って、嘘が本当になるような。