先入観
コーヒーが切れていた。
お給料も安いところに勤めて、ボーナスもなし。
去年、フリーで働いていた時の方が収入がいいかもしれない。
今はお金を使わないという手段でしか貯金はできない。
それでも、何だかんだとお金はかかる。
先週はプリンターが壊れた。
買ってから1年と1か月。保証期間が過ぎていたので、安くても9000円かかるという。
このプリンターの前も2年足らずで壊れ、修理にお金と時間がかかるという。
仕事にすぐに使わないといけないので、新しいプリンターを買った。
でも、こんなことを繰り返していてもしょうがない。2週間待っても修理に出すことした。
このプリンターは、ほとんど仕事にしか使っていない。
なぜなら、今の仕事場にパソコンもプリンターがない。自分の物を使っていた。
でも、修理費は経費で落とせないだろうな。本部が「うん」とも言わないだろうし、私の持ち物だから。
所長に「もう私物は使わない。パソコンとプリンターを買って欲しい」と訴えた。他にも使う人もいるし、仕事が進まない。
やっと、買ってくれることになったようだ。
そうやって、突発的にお金は出ていくし、固定資産税やら市民税やらが毎月払うし、お金は貯まらない。
貯金ゼロ世帯のひとりです。
それで、コーヒー。
一時、節約のためにコーヒーをやめてみた。
白湯が身体にいいと言うので、白湯でいいじゃないかと白湯を飲んでみた。
寝起きの一杯は白湯でいいかもしれないけれど、やっぱりコーヒー飲まないと目が覚めないような気がする。
朝のコーヒーぐらいいいじゃないかと思う。
そうして、ひとりでビール飲むことは禁止し、コーヒーは許すことにした。
いつもの珈琲豆焙煎屋さんへ行く。
いつもは、グアテマラかペルーだけど、違ったものを頼もう。
山の家から盛岡に戻るときのラジオに、サンバ音楽のパーカッション演奏者というケンタブラジルという人が出ていた。たしかにサンバは陽気になる音楽だ。
今日は、ブラジルを頼もうと思って、店主に「このブラジルください」と言った。
店主「ブラジルではないです」
私「これブラジルでしょう」と、よく表示を見ると「ブルンジ」と書いてある。
店主「みなさん、ブラジルって間違えるんですよ」
私「すごい先入観ですね」
「ブ」しか読んでいないのね。
「ブルンジ」は、どこの国かと聞くと「アフリカ」だと言うので、その「ブルンジ」のコーヒーを買ってきた。
地図を見ると、「ブルンジ共和国」はケニアから見たら、ヴィクトリア湖の向こう側、あのルワンダ共和国のお隣にある。
どんな国なのだろう。
苦労している国なのだろう。
昔むかし、ケニアへ行ったことがある。
ヴィクトリア湖でフラミンゴの群が飛ぶのを見た。
急にアフリカを思い出して、なんだか毎日小さいことにクヨクヨしている自分が嫌になった。
どこで道を間違ったのだろうと、またクヨクヨしてしまいそうだ。
お金はなし、名誉もなし、残り時間も少なし。
なら、好きなように生きないとつまらないのではと思いながら、地図を見ていた。