胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

クラッシュ

 

クラッシュ (字幕版)

クラッシュ (字幕版)

 

 ずいぶん前に観た映画である。断片的に場面を覚えているけれど、ほとんど忘れていた。映画をいかした場面転換とシナリオだと思う。上手に登場人物が交差してくる。最後の衝突場面で、保険会社の黒人女性が車から出てきて笑ってしまった。言い合う人々の人種も様々で、この映画全体を表している。

好きな場面は、錠前屋のダニエルが夜の寝室でおびえる娘に、透明の天使のマントを渡すところ。ダニエルが、ペルシャ系の店主の逆恨みで銃を向けられた時、「パパはもっていないから」と駆け出し、自分の天使のマントでパパを守ろうとした。

最後に自動車強盗のアンソニーが人身売買にされるアジア人を中華街で解放した。彼らを売りはしなかった。

絶望的、嫌な奴が反面いいところもあり、希望もあるように最後をもってきて救われる。

かわいそうなのは、若き正義感がある白人の警官。自分のおびえから黒人を殺してしまう。いい子だったのに、彼はどう生きていくのだろう。

差別はおびえからくるのだろうか。そういうところを描いた映画だった。