胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

福島、飯館 それでも世界は美しい


 先週の日曜日、東和町で福島に住む小林麻里さんのお話を聴く会があるという案内があって、行ってみました。生で福島の原発被害に遭われた方の話を聴いたことがありませんでした。放射能のニュースが流れ、山の家のまわりの牧草は牛の餌にできませんし、茸や山菜にも影響があると聞いても、どこか人ごとのような、夢うつつの様な現実味がなかったのです。放射線に気をつけていません。原発事故後、福島から遠い山の家のある地域に移り住んだ人たちが避難したとか聞いても、現実味がありません。それで、生の声を聞いてみようと思っただけですが、小林麻里さんのお話は、言葉にできない私の思いがありました。もちろん、なさった苦労を考えると私は苦労知らずですが・・・。
「時代からは逃げられない」この小林さんの言葉は、そうなんです。どこへ逃げようとしてもこの時代からは逃げられない。そうして、私も無関心に電力も資源も使い続けていた、今でも使っているという面で、確実に時代の共犯者なのです。誰かを責めるだけでは解決できません。しかし、頭が悪いので、どういうシステムがいいのかイメージもできません。ただ、逃げないで、この時代を生き抜くしかないと思っています。息子たちにも「どんな時代でも生きろ」と言ってあります。
 そうして、あらためて福島の地図を見て(今まで見られなかった)、こんなに広い範囲の人が避難し、住めなくなっていることに唖然としました。今頃のことですみません。私も目をそらせたかったのかもしれません。
 本当に、人間だけでなく全ての生き物に迷惑をかけたことがわかります。それでも全ての生き物は生きようとします。これから、どういう生き方をしていくのか考えていかなくてはと思いました。そうはいっても、仕事が始まると毎日の業務に追われ深く考えることもなくなってしまうのですが。
 お話の後の質問で一番最初に感想を言いました。まとまりのない感想でしたが、本を買ったときに「わかる」と言ってくださってうれしかったです。
 福島には私の好きな人のお墓があります。もう一度行ってみようと思いました。

福島、飯舘 それでも世界は美しい

福島、飯舘 それでも世界は美しい