胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

『ロンドン・リバー』

 

 『ロンドン・リバー(London River)』 2009年制作

 監督:ラシット・ブシャール

 主演:ブレンダ・ブレシン / ソティギ・クヤテ

 

ロンドンバズで自爆テロがあり、多数の死傷者をだした。そのニュースをみて、ガーンジー島に住むエリザベスはロンドンに住む娘に電話するがいつも留守電。留守電メッセージに「電話して」と何度もつたえる。フランスで森の管理人をしているオスマンは、アフリカに住む妻から息子と連絡が取れないと連絡がはいる。妻もロンドンのテロを知って息子に連絡をしているのだろう。息子をアフリカに連れて帰るため、ロンドンに来たが、彼はフランス語しかできない。

エリアベスの娘とオスマンの息子が一緒に写っている写真がふたりを出会わせる。人種も宗教もちがうふたり。エリザベスは最初は偏見丸出しで、ムスリムオスマンの息子が娘に何かしたのではと警察に訴える。オスマンは、息子がテロに関わっているのではないかと心配する。

しかし実際は、娘と息子は恋人同士だったのだ。子を探す親の心情はだんだんと連帯していく。そして実は娘と息子は旅行に行ったのだという情報がはいり、テロに遭ったのではない、テロに関わったのではない、と喜ぶふたりだったが・・・。

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たんたんと話が進むドラマだが、観てしまう。老賢者のようなオスマンのたたずまいが絵になるし、エリザベスの母子家庭で育てた娘への思いが伝わってくる。

うちの息子たちも旅が好きで海外へ行く。下の子はトルコへ行った。政情もいろいろあるし、シリアには近づかないと言っていたけど、途中連絡がなかったときは心配した。イスタンブールに着いたばかりのときは、写真をラインで送ってきていたのだ。それがぷっつりなくなると嫌な感じがする。連絡なんかないほうがいいかもしれない。

あとで聞けば、無料Wi-Fiがないところを歩いていたとか。わたしも息子に何かあったらトルコへ行って探すだろう。というわけで、子どもたちは自由に、とおもっても、いくつになっても心配する親である。言えることは、「死ぬな。生き延びろ」だけど、不慮の事故はある、テロもある。心配は尽きない。