胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

映画『男と女 人生最良の日々』

 

元旦に観た映画は『男と女 人生最良の日々』。監督は、クロード・ルルーシュ

1966年公開の『男と女』の主人公2人の老いてからの交流を描く。大きな悲しみもなく苦も無く観られる。ほのぼのとはしないが、「ああ、50年という年月が経った」ことを観る側も受け入れて行くような映画だ。

わたしは1966年の『男と女』は見ていない。でも、あの「ダバダバダ」という映画音楽はさんざん聞いてきた年代だ。

妻を亡くし息子を学校の寄宿舎に預けている男、ジャン・ルイ。夫を亡くし娘を寄宿舎にあずけている女、アンヌ。子持ちの二人が愛し合ったが、男はカーレーサーでハンサム。女にもてた。女癖のせいで別れたのだろうか。

2019年の『男と女』は、老いた2人に50年前の映像を挟み哀愁を誘う。ジャン・ルイの息子の頼みで、施設へ男に会いに行くアンヌ。そこでの交流は男の幻想なのか。さいごにアンヌがジャン・ルイの前に座ると「君は新入りかね」と繰り返す。昔のアンヌとの交流はしっかり覚えていても、現在の交流は忘れてしまう。でも、アンヌは包むように笑う。「ええ、そうよ」と言って。もういちど最初から自己紹介するのだろう。

大勢の女や妻の中でアンヌのことだけを覚えている男。そんなに愛してくれていた男がいるだけで、幸せかもしれない。

ジャン・ルイとアンヌの息子と娘。「きょうだいになりそこねた」2人が、いい感じになっているので、これはハッピーエンドの物語なのだ。おだやかな心で見ることが出来た映画だった。