胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

読書量で学力が決まる ?

将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!

将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!

 この本は買っていません。読むつもりもないのですが、今流行っているそうです。

 昨夜、高校生の息子がこのことを話していました。
 高校の先生は、3歳までの読書量で決まると言ったそうです。
 「小さい時に読み聞かせをしてもらった人、絵本をたくさん持っていた人」
 と先生が質問したら、クラスのほとんどの人が手をあげたそうです。
 だって、進学校なんですもの。そうですね。
 そこで、息子は俺も絵本で育ったし、本しか与えられなかった。
 よその子はクリスマスにゲームをもらえるのに、自分は本しかもらえないのか、疑問に思った。
 おかげで、サンタは親だとすぐ気が付いた。
 と語っていた。

 そうか、本が学力に反映されるのなら、あなたはもっと学力があがってもいいはずと母は思ったが、言いませんでした。

 たしかに、息子を活字中毒にはしたかも。新聞も目を通しています。朝日の沢木耕太郎新聞小説を読んでいます。私は読んでいないのに。


 しかしね。
 絵本を買うって、親の経済力にもかかわるよね。
 わが家は、経済力はないけれど、知的好奇心が親にある。本の仕事をしていたから仕方がない。
 食べるのを我慢しても本を買う生活を送ってきた親だから、つい本を買ってしまう。

 そうなると、絵本を読み聞かせ、子どもに与える親って、学歴高い、経済力がある、知的好奇心が高いなどが考えられる。そうして、勉強は楽しかったり、成功体験も多いから、世の中は努力でなんとかなったりすると思っている。

 そういう家庭じゃない場合も多いよね。
 毎日パートを3つも掛け持ちしていたら、読み聞かせする余力なく、寝たい。
 
 昔は、貧乏な親、字も読めない親、本も読んだことのない親からだって、知的好奇心の高い子、勉強ができる子が育った。「トンビが鷹を生んだ」なんて言われたりして。
 
 時代のいろいろな環境が変わったのだろうけど、
 一番変わったのは学校なのだろう。
 
 3歳までの絵本量で学力は決まったりしないと思う。
 以前なら、学校で好奇心の花が開けた。
 先生がいい大人のモデルになれた。
 
 生活保護世帯の学習支援の話がある。
 とても良い話だ。無料で大学生が勉強を教え、話し相手になってくれる。

 でも、思うのよね。
 学校でやっていたことじゃない。
 
 塾に行ける子はどんどん先に進む。
 先生たちもいろいろなレベルの子を教えるのは大変なのだと思う。
 子どもたちの様相も変わった今、
 今までのように40人近くを教室に押し込めて勉強するやり方が、
 時代遅れなんだと思う。
 学校が何か大きく変わらないと、落ちこぼれる子を救い続けることは、
 難しいだろう。
 焼け石に水と言うか。



 息子は、「俺も子どもができたら、本を読んであげよう」
 なんて言っている。
 こうやって連鎖していく。
 息子は自分のことを肯定的にとらえて、それはそれでいいのだけれど、
 では、絵本を与えられなかった子たちのことまで、考えが及ばない。
 俺たちはOK。そういう感じに、嫌な感じを持った母でした。