胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

ルポ 精神医療につながれる子ども達

悲しいことに、この本に書かれていることは事実です。
現場にいた私が感じていたことを書いてくれた嶋田和子さんにお礼を言いたいです。
多くの人に読んでほしい本です。


いろいろ書きたいことはあるけれど、国や精神医療は変わらないという、諦めがあります。製薬会社という大きな闇に囲まれて、利権がはびこり、みんな自分の利益を守ることしか考えていません。

患者のことは、子どもたちのことは、これでいいのでしょうか。
薬漬けにされて、病気と言われたものは少しも治らない。

不登校、ひきこもり、家庭内暴力、すべてが学校に相談すれば、病院を紹介される時代です。
薬飲めば、一時は大人しくなると思います。

私の経験からいうと、若い頃から薬飲んでいる方は、なかなか精神医療から離れられなくなる。
なぜなら、医療が良くしないから。

思春期の問題を薬でおさめてしまうことの弊害は、その人の成長をストップさせてしまうのではないかと思う。
親の成長もストップする。

お互いがもがいて成長していないため、20代になっても30代、40台になっても問題に対処する能力がなく、親子の衝突は続き、心のバランスを崩しては、医療に助けを求める。そして、医療にできるのは薬を出すだけ。

私は、薬が必要な場合もあるとは思っています。急性期の場合や混乱が激しい場合など。でも、1年から一生薬を飲むものだろうか。統合失調症だけでなく、うつ、解離性障害、不安障害の人たちが長い年月薬を服薬している。

高齢者でも、気持ちが不安定になるとデパスを飲む方がいる。胸がドキドキしてくると、デパス。でも、そのドキドキの理由を聞くと、「息子に電話しても出てくれない」「息子が離婚するそうだ」「お友達に冷たくされた」など、親子関係、人間関係の話が多い。そこで、誰かに話して気を休めたり、自分で耐える力が高齢者にもなくなってきているのかしら。
でも、高齢者は仕方ないとほっとけても、子どもたちに簡単に精神薬を処方している現状は、どうにかできないだろうか。

 

DSMの問題は、2013年5月にアメリカで出版された最新版『DSM−5』において顕著になっている。たとえば、今回の改訂では、子どもや配偶者を亡くした後の気分の落ち込みさえ、それが2週間続けば「うつ病」と診断されることになったのだ。
 一つ前の版であるDSM−Ⅳの編纂議長(タスクフォース議長)を務めたアメリカの医学博士であるアレン・フランシス氏は、2013年5月20日のオーストラリアのテレビ番組(Latelineという番組)に出演して次のような批判的意見を述べている。
「DSM−5で最悪なのは、正常な悲しみを「大うつ病」とし、高齢者の物忘れを「神経認知障害」、癌を気にすることを「身体症状障害」、子どものかんしゃくを「破壊的気分調節不全障害」、そして、多くの人を「注意欠陥障害」にして、容易に覚醒剤を入手できるようにしていることだ。誰にでも起こりうる日常の問題を精神疾患にして、きわめて有害な薬物療法の対象にしている」

精神の病気、うつが増えていると言いますが、増えるような仕組みがあります。
私もうつに逃げ込みたいときはあります。でも、表面的にうつ状態を理由にして、ストレスから逃げるのはお勧めしますが、服薬はよくよく考えて欲しいと思います。

日本の精神薬の投与は、世界ダントツ1位です。精神薬だけではないですね。とにかく、薬を出し過ぎなのです。