胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

庭に熊が

お盆に山の家に帰った2日目の夜だったか、明け方に犬が吠えた。それが長く真剣に聞こえた。
眠りの中で、何だろう、鹿ぐらいでこんなに吠えないのではと思っているうちに眠った。
そして、夢に熊が出てきた。
熊がサッシガラスにガンガン頭をぶつけている。ガラスに押しつぶされて歪んだ熊の顔が見える。ガラスなんてすぐに割れそうなのに、なかなか割れない。熊は怒っている。
そうして、家の中には小熊が半纏を着て遊んでいる。誰かに「返した方が良いよ」なんて言いながら、半纏を着た小熊を外に差し出そうとしているところまでしか覚えていない。

お盆のあと私は町に帰り、昨日、息子たちがグダグダ山の家で過ごしているのを迎えに行った。
そうしたら、夫がとなりに熊が来ていたんだと言う。
ちょうど私が夢見た日。
その頃、熊はとなりに通っていた。
となりが置いていたハチミツを取るための木のうろを狙いに来たのだ。
ハチミツなんて取れていないと思っていた。
夫も蜂が入っているのを見なかったから、蜂がいないのではと思っていた。
その木のうろは、わが家ととなりの境に置かれている。
前から、こんなところに置かないでよと思っていた。
樹が茂ってきて、隣の木のうろも良く見えないが、朝、犬の散歩するときに角を曲がったら、熊と鉢合わせするような場所に置いてあるのだ。
それを熊がひっくり返していた。
それともうひとつ。熊は蟻も好きなそうで。
隣との境に植えていた落葉松が大きくなりすぎたので、2年前におんちゃんが切った。その丸太が一部置きっぱなしになっていたのに、蟻が巣を作っていたらしい。
その蟻を食べるために、落葉松の丸太がバキバキにされていたということ。
裏の私のアトリエだった小屋のそばのこと。

あのとき、老犬で耳も遠い犬が一生懸命吠えたのは、熊がいたからなんだろうな。
私たちに知らせようとしたのか。
知っても家の中にいるしかないけど。
裏山には熊がいるし、そこら中いるのだけれど、会わないだけ。
会わないように暮らすしかない。


夫が山の監視員のアルバイトへ行くときに荒川高原を通ると、いつもでかい熊を見るそうだ。牛のように大きいけど、小熊2匹連れているので「熊か」とわかる。
そんな大きいのは、家に来てほしくないな。
玄関出たら熊と鉢合わせしないように、音を出すものでも用意しなくてはいけないかもしれない。

ハチミツは、うちのベルガモットにきている蜂がとってきたものではないだろうか。