映画「ニューヨーク公共図書館」
ドキュメンタリー映画『ニューヨーク公共図書館』。2017年公開作品。
監督は現在92歳のフレデリック・ワイズマン。数々のドキュメンタリー映画を撮ってきた監督だ。3時間以上もドキュメンタリーなので長いが、わりと飽きない。要所要所で著名な詩人や学者、アーティストの図書館での公開インタビューを挟んでいるので、観てしまう。それに、ニューヨーカーはかっこいい。年寄りも人種もいろいろなんだけど、深みがある大人の顔をしている。
「公共図書館」とあるから、てっきりニューヨーク市の経営する公立図書館だと思ったが、違った。基本は財団が運営する民間の図書館で、市からも多額の予算がでているので、市と民間の協働事業なのだが、計画して動かしているのは財団の人たちみたいだ。
有名なクラシックな建物の本館の他にも88の地域分館や専門研究のためのリサーチ・ライブラリーがある。
いま、図書館が取り組んでいるのは、教育のようだ。教育の平等、情報の平等。誰もがインターネットに接続できるようにWi-Fiの貸し出しや、教育プログラムを行っている。ニューヨークも格差が広がり、低所得者への支援が必要だと考えている。
司書の知識はWikipediaのように、利用者の質問に答えてくれたり、調査の仕方を教えてくれる。誰もが気軽に質問する。
職員はやりがいがあるだろう。
アメリカというのは、良くも悪くも多様性があるし、正義を貫こうという人たちと、寄付をする金持ちたちがいるのだな。