胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

「おばちゃん」と呼ばれて

2016年になりました。
昨年は、人生史上最悪の年だったかもしれません。
私自身に大きな不幸があったわけではありませんが、世の中に対して不安になり、文字通り意気消沈し元気をなくしていました。何を目標にしていいかもわからなくなりました。
まわりがすべて偽善に見えて、いろいろなものに近寄らないようにしていました。

リハビリのために、一番良かったのは朝市で働いたことかもしれません。
朝、元気よく物を売っているのは気分がいいです。いろいろな人が買いに来ます。代行運転の仕事を開けて来た人や、ひとり暮らしの高齢者、お巡りさん、子どもを学校に送った帰りのお母さん、コーヒーを差し入れてくれたヤンキーっぽいお兄さん。
庶民の暮らしがあるのね。専門家なんて糞くらえだと思っていた私には、地に着いた仕事があり、保障もない自営業だけれど働いている人に囲まれていると、普通の生活があることに安心しました。
まあ、とにかく稼いで元気に生きていかなくちゃと思いました。

朝市でお客さんに「おばちゃん」と呼ばれました。
20代30代の人からならわかるけど、見た目40代の女性から「おばちゃん」と言われ、最初違和感がありましたが、すぐに「おばちゃん」になりました。「おいしいよ」「来年も来てね」と元気のいいおばちゃんに徹しました。

映画『寅さん』のおばちゃんが好きでした。「おばちゃん」役の女優の三崎千恵子さんは、2012年2月に90歳で亡くなりました。もう「おばちゃん」になってもいい年齢に私もなったのです。

今年は「おばちゃん」でいきましょう。


写真は、女優の三崎千恵子さん。