胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

村に火をつけ、白痴になれ

村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝

村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝

少し前に、車の中でNHKラジオを聞いていたら、著者紹介というコーナーで、『村に火をつけ 白痴になれ―伊藤野枝伝』を書いた栗原康氏を紹介していました。栗原氏は、伊藤野枝の大ファンのようです。アナーキズムに対する本当の意味なども述べていました。政府を転覆すると言うのではなく、政府や企業に頼らずに自分たちで生きていくこと。
こういう学者さんがいたんだと、初めて知りました。
NHKもよくこの本を紹介したものだと感心しました。別に変なことではないのですが、今のNHKにはいつもがっかりさせられていましたから。
そうして、伊藤野枝関東大震災のどさくさに紛れて、大杉栄と甥の男の子と憲兵隊に殺されたことも話されていました。
それは、許されないことだったはずです。
でも、今まで日本では本当に反省してこなかったのかもしれません。そうして、またそういう人権無視の行為を行うことを平気になっていきそうな国民性を思うと辛くなります。
私たちは、とことん奴隷根性が根付いてしまっている。
さっそくこの本を買って読みました。自分の中にある奴隷根性に気づかされます。
それにしても、この本読みやすいです。漢字が少なく、今風の文体でセンテンスも短い。もう少し内容が欲しかったです。伊藤野枝のことを知っているなら、私でも知っている内容が書かれているだけでした。
でも、伊藤野枝大杉栄のことを知らない人、関東大震災の後に虐殺されたことを知らない人、アナーキストを知らない人に触れてもらうにはいい本なのかもしれません。
私は、伊藤野枝の息子、辻一のファンなので、彼のことに触れている記述を楽しみにしていたのですが、少し出てくるだけでした。