胡桃の木の下で 

日記ではなく備忘録になっています。忘れっぽくなってきたので。

赤坂真理著『東京プリズン』

 

東京プリズン (河出文庫)

東京プリズン (河出文庫)

 

 

長い物語。過去と未来と時空が交差していく小説のダイナミズムがあるとおもう。少し村上春樹を彷彿させるところもある。

しかし、もっと現実的な問題をつきつけてくる。

現代史の闇だ。

中学高校で、わたしたちは現代史をスルーしてきた。

たいてい3学期で時間切れなんだ。

でも、平安時代の争いや戦国時代の争いを詳しく習うより、

明治以降の日本の歴史を知りたい。

過去の日本史は好きな人が詳しくやればいいのでは、

現代史は必須ということで。

ただの時間切れだとおもっていた。

でも、これは仕組まれたこと?

仕組まれないとしても、暗黙に避けられていたこと。

子どもたちが疑問に思わないように。

疑いを持たないように。

深く今の政治を考えたりしないように。

その成果がいま、とてもよくあらわれているようにおもう。

 

時間切れは、やはり仕組まれたものだったという思いが募る。

それに、日本の敗戦と天皇の降伏についてもよく考えないといけない。

国民は天皇の赤子だった。

天皇のために死んでいった。

そこまで、神のように天皇に依存するこころをつくったのは教育だろう。

 

この本を若い人に読んでほしい。